| ||
改正履歴 | ||||
基発第491号 平成12年7月14日 |
||||
都道府県労働局長 殿 | ||||
労働省労働基準局長 |
||||
試験施設等が具備すべき基準の一部を改正する告示の施行について |
||||
労働安全衛生規則第34条の3第2項の規定に基づき試験施設等が具備すべき基準の一部を改正する告示(平成12年労働省告示第13号)は、平成12年3月29日に公布され、平成12年10月1日から適用されることとなった。 今回の改正は、OECD(経済協力開発機構)の化学物質の安全性試験に関する優良試験所基準(GLP)(以下「OECD−GLP」という。)が改正されたこと等に伴い、国際的整合性を図るため、試験責任者及び信頼性保証責任者の業務等に係る定義をより明確化すること、また、がん原性試験を行う試験施設についても同告示を適用すること等を内容としたものである。 ついては、下記事項に留意の上、その運用に遺漏のないようにされたい。 |
||||
記 |
||||
1 | 改正の要点 | |||
(1) | がん原性試験への対応(第1条、第10条及び第13条関係) 告示は、これまで変異原性試験を行う試験施設のみに適用されていたが、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第34条の3第1項第1号における有害性の調査には、がん原性試験も定められているところであり、当該がん原性試験を行う試験施設に対しても同告示を適用することとしたものである。 また、これに伴い、標準操作手順書に「動物の飼育及び取扱いに関すること」を記載することを定める等所要の整備を行ったものである。 |
|||
(2) | OECD−GLPとの整合(第2条から第8条まで、第10条、第11条及び第13条から第16条まで関係) 有害性の調査を適正に行うため必要な技術的基礎を有すると認められる試験施設等が具備すべき基準については、OECD−GLPにおいて、定義の明確化、責任の明確化等を目的として当該基準が平成9年に改正されたことに伴い、基準の整合性を保つため、下記のとおり所要の整備を行ったものである。 |
|||
イ | 第4条関係 試験責任者の職務として次のことを加えた。 |
|||
(イ) | 運営管理者が承認した試験計画書の写しを信頼性保証責任者へ送付すること。 | |||
(ロ) | 試験計画書及び標準操作手順書に従って試験を実施すること。 | |||
(ハ) | 試験計画書又は標準操作手順書からの逸脱に関し是正措置を講じ、その結果を記録すること。 | |||
(ニ) | 試験にコンピュータシステムを用いる場合には、コンピュータシステムが適正に動作することを確認すること。 | |||
(ホ) | 最終報告書を訂正する場合は、その訂正した日付並びにその訂正の内容及び理由を記載した文書を作成すること。 | |||
ロ | 第5条関係 信頼性保証責任者の職務として次のことを加えた。 |
|||
(イ) | 試験計画書に所要の事項が含まれていることを確認すること。 | |||
(ロ) | 試験責任者の行った試験計画書又は標準操作手順書からの逸脱に関する是正措置が適切に行われていることを確認すること。 | |||
ハ | 第6条関係 職員の守るべき事項として次のことを加えた。 |
|||
(イ) | 生データを速やかにかつ正確に記録すること。 | |||
(ロ) | 試験計画書又は標準操作手順書からの逸脱が認められた場合には、試験責任者に報告し、その内容を記録すること。 | |||
ニ | 第10条関係 標準操作手順蕃にコンピュータシステムの動作の確認に関することを記載することとした。 |
|||
ホ | 第11条関係 試験計画書に「信頼性保証責任者の氏名及び所属」の記載を要しないこととした。 |
|||
ヘ | 第14条関係 | |||
(イ) | 委託を受けて試験を実施する場合にあっては、最終報告書に「試験委託者等の名称及び所在地」を記載することとした。 | |||
(ロ) | 最終報告書に「試験責任者及び職員の氏名及び所属」を記載することとした。 | |||
ト | 第15条関係 試資料保管施設から試資料を出し入れ又は移動するときは、その旨を記録することとした。 |
|||
(3) | 押印の見直し(第4条、第5条及び第13条関係) これまで文書(試験計画書、最終報告書、信頼性保証文書)の作成又は承認のときに、「署名及び押印」を必要としていたものを「記名押印又は署名」に、また、文書の記載事項を訂正した場合に、「署名及び押印」を必要としていたものを「署名又は押印」としたものである。 |
|||
2 | 細部事項 | |||
(1) | 第3条関係 第1項第8号の「試資料保管責任者」は、保管対象に被験物質、標本等が含まれることを明確にするために名称を改めたものであり、改正前の「資料保管資任者」と範囲は同じであること。 なお、第8条第1項第3号の「試資料保管施設」についても同様の趣旨であること。 |
|||
(2) | 第4条関係 第4号の「コンピュータシステムが適正に作動することを事前に確認すること」については、必ずしも試験ごとに行う必要はなく、定期的に行うことで足りる趣旨であること。 |
|||
(3) | 第7条関係 第9号の「被験物質等」は、がん原性試験においては対照物質を含むが、変異原性試験においては対照物質を含まないこととして差し支えないものであること。 |
|||
(4) | 第10条関係 第4号の「取扱い」には、屠殺、隔離、放逐及び捕獲が含まれるものであること。 |
|||
(5) | 第15条関係 第2項第1号において、運営管理者が許可した者についてもr試資料保管責任者又は試資料保管責任者の許可した者」とみなして同号を適用して差し支えないものであること。 |
|||
3 | 関係通達の取扱い | |||
(1) | 昭和63年9月16日付け基発第603号「有害性の調査の基準及び有害性の調査を行う試験施設等が具備すべき基準の適用について」の第3については、次のとおり改めることとし、平成12年10月1日より適用する。 | |||
イ | 「法第57条の2」を「法第57条の3」に改める。 | |||
ロ | 「変異原性試験」を「変異原性試験及びがん原性試験」に改める。 | |||
ハ | 2の(2)のトの「資料保管責任者」を「試資料保管賛任者」に改める。 | |||
ニ | 2の(3)のイを「イ削除」に改める。 | |||
ホ | 2の(3)のハの「第5条第5号」を「第5条第7号」に改める。 | |||
ヘ | 2の(3)のハの[2]の「署名及び押印」を「記名押印又は署名」に改める。 | |||
(2) | 平成9年3月11日付け基発第145号「がん原性試験が行われる試験施設等が具備すべき基準について」は、平成12年9月30日をもって廃止する。 |