安全衛生情報センター
標記については、平成11年3月29日付け基発第146号「移動式クレーンのジブ又はフックの相互使用につ
いて」(以下「相互使用通達」という。)により示されたところであるが、その運用に当たっては、下記に
留意のうえ遺憾のないようにされたい。
1 相互使用の対象について (1) 第1の1の(2)の「能力」とは、つり上げ荷重及び定格荷重のことであり、移動式クレーンの「能力 が同一」とは、例えば、同一メーカーで製造された同一モデルのものであって、荷重表あるいは性能 曲線が同一のものをいうものであること。 (2) 第1の1の(3)の「設置地及び事業の名称」とはクレーン等安全規則様式第21号の移動式クレーン検 査証に記載されたものをいうものであること。 (3) 第1の2の(2)の「特殊上ジブ」とは、ヘビーデューティーヘッド、ハンマーヘッド等の名称で呼ば れているもので、別図に示すようなものがあること。 (4) 第1の2の(3)の「フック」には、フックブロックに補助のシーブ等を組み合わせることにより使用 されるフックブロックを含む集合体としてのつり具も含まれること。補助のシーブが組み合わされる 場合は、当該つり具の全体としてのみ相互使用できるものであること。 なお、フックについては、相互使用できる移動式クレーンとして第1の1の(2)の「種類、型式及び 能力」が同一であることを要さないこととされているが、これは、最大の定格荷重の荷をつり上げる 際に使用するフックについては、異なる種類・型式の移動式クレーン(例えば、ホイールクレーンと クローラクレーン)の間でも最大の定格荷重が同一であれば、相互使用することができることとする 趣旨であって、最大の定格荷重が異なる移動式クレーンの間での相互使用はできないものであること。 (5) 第1の3に示す相互使用部材を取り付けることができる移動式クレーンの台数には、帰属機も含まれ ること。 2 性能検査について 第3の(2)に「性能検査実施日に併せて」とあるが、必ずしも同じ日に性能検査を受けることを要する ものではないこと。なお、移動式クレーン検査証の有効期間満了日以前に性能検査を受けた場合の有効 期間については、昭和47年12月8日付け基発第780号の記の第4の6により取り扱うこと。 3 製造検査の実施について (1) 第4の1の(1)による製造検査の実施に当たっては、実際に相互使用に供されるジブ又はフックを用 いることを原則とするが、この際ジブ及びフックへの新たな刻印は要さないこと。ただし、製造者に おいて相互使用を行うジブ又はフックと全く同一仕様のものが用意できる場合は、製造者が所有する ジブ又はフックを用いて製造検査を実施しても差し支えないこと。この際もジブ及びフックへの刻印 は要さないこと。 (2) 第4の1の(1)のロの(@)の「継ぎジブの仕様」とは、継ぎジブの長さ及び本数を言い、それらを記 載すれば足りること。また「相互使用することが適当であることを示す書面」とは、図面あるいは計 算書等第1の1の(4)に示す要件を満たしていることを証する書面のことであり、相互使用を行おうと する移動式クレーンについて変更がなされていて、相互使用部材に刻印がない場合等明細書のみでは 相互使用することが適当であることが確認できない場合に添付を要するものであること。 (3) 第4の1の(1)のロの(A)の特殊上ジブについても移動式クレーンの明細書に刻印番号を付記させる こと。 (4) 第4の1の(1)のハによる移動式クレーンの検査証の裏書きについて、製造検査受検機が帰属機とな る場合以外は、相互使用を行おうとする既存の移動式クレーンの検査証について裏書は要さないこと。 (5) 第4の1の(2)による製造検査の実施に当たっては、あらかじめ相互使用部材の帰属機を定めるとと もに、製造検査申請時において帰属機以外の移動式クレーンの明細書に第4の1の(1)のロの相互使用 部材について記載させること。 (6) 第4の1の(2)に「同時に製造検査を受けること」とあるが、必ずしも同じ日に製造検査を実施する ことを要するものではないこと。 4 変更届の取扱いについて (1) 第4の2の(1)のロに示す変更届に係る移動式クレーンの明細書への記載は提出者において行うこと。 また、変更届が提出された場合は、添付された移動式クレーンの明細書に記載されている内容を確認 の上、当該明細書に受付印を押すこと。 (2) 相互使用を行っている移動式クレーンについて、設置者の異動による相互使用部材に変更があった 場合も変更届の提出が必要であること。 5 その他 第2の1に示す「管理台帳」及び2に示す「相互使用部材明細書」について、別添に例を示すので、参 考にされたい。別添(PDF:119KB)