災害復旧工事等における労働災害防止対策の徹底について |
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基安発第22号の2
平成10年9月2日
先月26日からの関東北部と東北南部を中心とする記録的な大雨により各地に多大な被害がもたらされた
ところであるが、今後、今回の被害に関連して急を要する災害復旧工事が開始され、工事量が増大するこ
とが予想される。このため、労働災害の発生が懸念され、特に、土砂崩壊及び土石流による災害の発生が
危惧されるところである。
このため、別添のとおり建設業労働災害防止協会会長に対し、災害復旧工事等における労働災害防止対
策の徹底を要請したので、了知されたい。
なお、貴職におかれても、管内の実情に応じ、発注機関との連携を図りつつ、関係団体に対して災害復
旧工事等における労働災害防止対策、特に土砂崩壊及び土石流による労働災害防止対策の徹底について周
知するとともに、関係業界団体等への指導に際し特段の配慮を願いたい。
別添
基安発第22号
平成10年9月2日
建設業労働災害防止協会会長 殿
労働省労働基準局
安全衛生部長
災害復旧工事等における労働災害防止対策の徹底について
建設業における労働災害防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力を頂きお礼申し上げます。
さて、先月26日からの関東北部と東北南部を中心とする記録的な大雨により各地に多大な被害がもたら
されましたが、今後、今回の被害に関連して急を要する災害復旧工事が開始され、工事量が増大すること
が予想されます。このため、労働災害の発生が懸念され、特に、土砂崩壊及び土石流による災害の発生が
危惧されるところです。
つきましては、災害復旧工事等における労働災害防止対策のより一層の徹底を図られるとともに、特に
土砂崩壊及び土石流による災害を防止するため、下記の事項にも十分留意した施工が行われるよう貴協会
会員各位に対し、徹底を図られたくお願いします。
記
1 土砂崩壊災害防止措置
(1) 工事の施工に当たって、作業箇所及び周辺の地山について形状、地質及び地層の状況、亀裂、含水
及び湧水の状況等についてあらかじめ十分に調査を行うこと。また、今回の大雨の降雨前から着工し
ている工事にあっても、必要に応じ、改めて同様の調査を行うこと。
(2) 上記(1)の調査結果を踏まえ、作業計画を定め又は作業計画を変更し、これに基づき作業を行うこ
と。
(3) 点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について通常の場合よりも頻度を高めて点検を行
うことにより地山の異常をできるだけ早期に発見するよう努めること。また、必要に応じ、地山の状
況を監視する者を配置すること。
(4) 土砂崩壊のおそれがある場合には、あらかじめ堅固な構造の土止め支保工を設ける等土砂崩壊によ
る災害を防止するための措置を講じること。また、土止め支保工を設ける等の作業中における災害の
防止にも留意すること。
(5) 急迫した危険が生じた場合における緊急連絡体制を確立するとともに、避難の方法等について労働
者に十分周知すること。
2 土石流災害防止措置
(1) 土石流危険河川における工事の施工に当たっては、作業場所から上流の河川の形状、その周辺にお
ける崩壊地の状況等についてあらかじめ十分に調査すること。また、今回の大雨の降雨前から着工し
ている工事にあっても、必要に応じ、改めて同様の調査を行うこと。
(2) 土石流の早期把握等の措置を講ずるための警戒降雨量基準、作業を中止して労働者を退避させるた
めの作業中止降雨量基準等を、必要に応じ見直すこと。また、降雨量が警戒降雨量基準に達していな
くても、危険が予想される場合には、作業場所から上流の状況を監視する等の措置を講ずること。
(3) 警報用設備及び避難用設備の点検を実施するとともに、警報及び避難の方法等について労働者に十
分周知すること。
(4) 急迫した危険が生じた場合における緊急連絡体制を確立するとともに、避難訓練を臨時に実施し、
労働者の安全に対する意識を高揚すること。また、これらの際には必要に応じ、近接して作業を行う
異なる元方事業者と連携すること。