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安全優良職長ネットワーク事業の実施について

改正履歴


                                                                             基発第410号
                                                                          平成10年7月1日

  労働災害の防止を図るためには、事業者がその責務を的確に果たすとともに、労働者自身も、事業者の
行う安全衛生活動に積極的に参画していくことが必要であり、特に、作業を直接指揮する職長等の安全意
識を高めることが重要である。
  このため、今般、一定の技能と経験を有し、担当する現場が優良な安全成績をあげた職長等を顕彰し、
職長等の安全管理に対する意欲を高めるとともに、当該職長等を核とした労働者全体の安全意識の高揚を
図るため、別添1のとおり「安全優良職長ネットワーク事業実施要綱」を策定し、同要綱に基づき標記事
業を実施することとしたところである。また、同要綱中4(1)の安全優良職長に対する顕彰については、別
添2「安全優良職長労働大臣顕彰要領」のとおり実施することとしたところである。
  貴職におかれても、関係事業場等に対し、本事業の周知を図られるとともに、同要綱3(4)に掲げる事項
等について各労働災害防止団体支部、都道府県労働基準協会・連合会を積極的に指導・援助し、本事業の
効果的な推進を図られたい。
  なお、同要領7(1)に基づき本職が定めることとしている事項については、おって通知することを申し添
える。

別添1

安全優良職長ネットワーク事業実施要綱

1  趣旨・目的
    安全優良職長に対する顕彰は、一定の技能と経験を有し、担当する現場又は部署が優良な安全成績を
  あげた職長、班長等労働者を直接指揮する者(以下「職長等」という。)を顕彰し、安全意識の高い職
  長等の企業内外における評価を高めるとともに、顕彰された職長等のネットワーク化を促進し、当該職
  長等がさらに企業内外における安全活動の核として活動することにより、事業場における安全活動の活
  性化を図り、もって我が国産業の安全水準の向上を図ることを目的とする。
2  事業の概要
    本事業は、次に掲げる事項からなる。
  (1) 安全優良職長に対する顕彰
  (2) 安全優良職長を核とした企業内外における安全活動の一層の促進
3  事業の実施
  (1) 事業主体
      本事業は、労働省及び労働省から委託を受けた建設業労働災害防止協会(以下「建災防」という。)
    が中央労働災害防止協会(以下「中災防」という。)の協力を得て実施する。
  (2) 事業の対象
      本事業は、産業の場において作業を直接指揮する職長等を対象とする。
  (3) 実施体制の整備
    イ  労働本省に、顕彰審査委員会を置く。
    ロ  建災防本部に、安全優良職長ネットワーク事務局を置き、建災防都道府県支部(以下「支部」と
      いう。)に推薦審査委員会を置く。
    ハ  中災防本部に安全優良職長ネットワーク事務局を置く。
  (4) 都道府県労働基準局及び労働基準監督署は、次に掲げる事項等について各労働災害防止団体支部、
    都道府県労働基準協会・連合会(以下「基準協会」という。)を指導・援助する。
    イ  推薦者の選考、推薦審査委員会における審査に関する指導・援助
    ロ  安全優良職長のネットワーク化に関する指導・援助
4  事業の内容
  (1) 安全優良職長に対する顕彰
      別途定める安全優良職長労働大臣顕彰要領により、職長等として一定の技能と経験を有し、担当す
    る現場又は部署の安全成績が優良なものについて、事業場からの推薦を受け、安全優良職長として顕
    彰する。
    イ  労働本省実施事項
      (イ)  顕彰審査委員会による顕彰者の選考
      (ロ)  顕彰状及び徽章の授与
    ロ  建災防実施事項
      (イ)  建災防本部実施事項
        a  建災防支部及び建設業関係団体(労働省労働基準局長が別途指定するもの。以下同じ。)へ
          の推薦依頼
        b  推薦書類の労働省への進達
      (ロ)  建災防支部実施事項
        a  各事業者への推薦依頼
        b  推薦審査委員会による推薦者の選考
    ハ  中災防本部実施事項
      (イ)  各労働災害防止団体(建災防を除く。)、事業主団体(労働省労働基準局長が別途指定する
          もの。以下同じ。)、都道府県労働基準協会への推薦依頼
      (ロ)  推薦書類の労働省への進達
    ニ  各労働災害防止団体(建災防、中災防を除く。)、基準協会、事業主団体及び建設業関係団体実
      施事項
      (イ)  各事業者への推薦依頼
      (ロ)  推薦者の選考
  (2) 安全優良職長のネットワーク化による企業内外における安全活動の一層の促進
      安全優良職長の企業内外における安全活動を一層促進することにより、安全優良職長を核として労
    働者の安全意識の向上を図るため、建災防本部は、中災防本部の協力を得て、以下に掲げる事項を実
    施する。
    イ  安全優良職長の研修・交流会の実施
    ロ  安全優良職長に対する安全衛生関連情報の提供
    ハ  安全優良職長間の情報交換及び自己研鑽等に関する指導援助等

安全優良職長に対する顕彰及びネットワーク化(概要)


別添2

安全優良職長労働大臣顕彰要領 

1  目的
    安全優良職長に対する顕彰は、一定の技能と経験を有し、担当する現場又は部署が優良な安全成績を
  あげた職長、班長等労働者を直接指揮する者(以下「職長等」という。)を顕彰し、安全意識の高い職
  長等の企業内外における評価を高めるとともに、顕彰された職長等のネットワーク化を促進し、当該職
  長等がさらに企業内外における安全活動の核として活動することにより、事業場における安全活動の活
  性化を図り、もって我が国産業の安全水準の向上を図ることを目的とする。
2  顕彰の対象
    本顕彰は、産業の場において作業を直接指揮する職長等を対象とする。
3  顕彰基準
    顕彰は、原則として次に掲げるすべての事項に該当する者について行う。
  (1) 職長等としての実務経験が10年以上あること
  (2) 職長等として担当した現場又は部署において過去5年以上、休業4日以上の災害が発生していない
    こと
  (3) 職務に必要な資格(免許、技能講習及び特別教育)を有するとともに、能力向上教育等の各種安全
    衛生教育を十分に受講し、安全管理、作業指揮等の能力が優秀であると認められていること
  (4) 安全管理に関する部下の指導教育又は安全管理に関する知識・技能の普及や継承について積極的に
    活動していること
4  被顕彰者の決定
  (1) 一次審査
    イ  建設業
      (イ)  各事業者が、建設業労働災害防止協会(以下「建災防」という。)都道府県支部(以下「支
          部」という。)あて候補者を推薦し、建災防支部は、支部内に設置された推薦審査委員会で当
          該候補者が3に掲げる顕彰基準に該当することを審査の上、推薦書類を建災防本部に提出する。
      (ロ)  各事業者が、労働省労働基準局長が別途指定する建設業関係団体あて候補者を推薦し、各団
          体は、当該候補者が3に掲げる顕彰基準に該当することを審査の上、推薦書類を建災防本部に
          提出する。
    ロ  建設業以外の業種
        各事業者が、労働災害防止団体(建災防及び中央労働災害防止協会(以下「中災防」という。)
      を除く。)、都道府県労働基準協会・連合会又は労働省労働基準局長が別途指定する事業主団体あ
      て候補者を推薦し、推薦を受けたこれらの団体等は、当該候補者が3に掲げる顕彰基準に該当する
      ことを審査の上、推薦書類を中災防本部に提出する。
  (2) 二次審査
      建災防本部及び中災防本部より推薦のあった候補者を、本省に設置する顕彰審査委員会で総合的に
    審査し、被顕彰候補者を選考する。
  (3) 決定
      労働大臣は、(2)により選考された被顕彰候補者から被顕彰者を決定する。
5  欠格等
  (1) 被顕彰者候補の選考に当たっては、慎重に審査し、犯罪容疑者等で顕彰することが国民感情に照ら
    しふさわしくない者については、顕彰しない。
  (2) 同一の者についての顕彰は重ねて行わない。
  (3) すでに叙勲、褒賞又は労働大臣表彰等を授与された者に対しては、顕彰は行わない。
6  顕彰の方法
    顕彰は、労働大臣が被顕彰者に顕彰状及び徽章を授与して行う。
7  その他
  (1) この要領に定めるもののほか、顕彰に関し必要な事項については労働省労働基準局長が定める。
  (2) この要領は、平成10年7月1日より施行する。