橋梁建設工事における橋桁等の落下防止に関する安全総点検について |
改正履歴
基発第351号の2
平成10年6月15日
労働災害の防止については、従来から行政の最重点課題として各種の対策を推進してきたところである
が、去る6月10日、愛媛県の橋梁建設工事において、架設桁が落下し、7名が死亡、1名が負傷するとい
う重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところである。
現在、災害原因の究明と再発防止対策の樹立のため、鋭意調査、検討を進めているところであるが、本
災害以外にも、昨年9月に送り出し工法による作業中に橋桁落下事故が発生しているところであり、橋桁、
架設桁等重量物の設置、解体時において当該重量物のつり上げ、送り出し、横取り、つりおろし等移動さ
せる作業における同種災害の発生が強く懸念されるところである。このような事態の重大性にかんがみ、
本職から別紙により関係業界団体に対し要請を行ったところである。
ついては、各局においても、計画届等を通じて把握している関係事業場に対して、標記安全総点検が的
確に行われるよう適切な指導を行い、同種災害の再発防止の徹底を図られたい。
別紙
基発第351号
平成10年6月15日
社団法人日本橋梁建設協会会長
社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会会長 殿
建設業労働災害防止協会会長
労働省労働基準局長
橋梁建設工事における橋桁等の落下防止に関する安全総点検について
労働災害の防止については、従来から行政の最重点課題として各種の対策を推進してきたところであり
ますが、去る6月10日、愛媛県の橋梁建設工事において、架設桁が落下し、7名が死亡、1名が負傷すると
いう重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところであります。労働省においては、現在、災害
原因の究明と再発防止対策の樹立のため、鋭意調査、検討を進めているところでありますが、本災害以外
にも、昨年9月に送り出し工法による作業中において橋桁落下事故が発生しているところであり、橋桁、
架設桁等重量物の設置、解体時における当該重量物のつり上げ、送り出し、横取り、つりおろし等移動さ
せる作業(以下「橋桁等移動作業」という。)における同種災害の発生が強く懸念されるところです。
このような事態の重大性にかんがみ、貴団体におかれましては、会員企業に対し、計画中及び施工中の
橋梁建設工事について、下記事項に係る安全総点検の実施及び問題のあった事項についての改善を徹底さ
れるよう要請いたします。
※ なお、点検結果につきましては、本職まで報告していただきたく併せてお願い申し上げます。
(※部分は日本橋梁建設協会とプレストレスト協会のみ)
記
1 橋桁等移動作業の計画段階における安全の確保
(1) 工法の安全性の事前評価を実施すること。
(2) 作業の各段階における構造物及び架設用設備の強度、安定性等について検討すること。
(3) 構造物、架設用設備等の落下・倒壊を防止するための方法等を検討すること。
2 橋桁等移動作業の実施段階における安全の確保
(1) 構造物及び架設用設備の支持条件、荷重条件等に合致した作業方法により作業を実施すること。
(2) 架設用設備の構造・強度に応じた適切な使用及び保守点検を実施すること。
(3) 安全な作業手順を定め、それに基づいて作業を実施すること。
(4) 作業の指揮命令系統を明確にするとともに、作業主任者等の職務の励行を図ること。
(5) 十分な知識・技能を有する作業者により作業を実施すること。
(6) 関係事業者間の連絡調整を緊密に行うこと。