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木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業の実施について

改正履歴


                                                                             基発第292号
                                                                          平成9年5月10日

  木造家屋等低層住宅建築工事に係る総合的対策の推進については別途指示することとしているところで
あるが、同工事における墜落災害防止対策の重要性にかんがみ、今般、同工事を行う事業者を対象に、足
場先行工法の実施体験、安全で作業のしやすい工法等の検討、災害事例等からみた足場先行工法の有効性
の周知等を徹底することにより足場先行工法の普及及び定着を図ることを目的として、別添「木造家屋等
低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業実施要綱」を策定し、同要綱に基づき標記事業を実施すること
とした。
  本事業は建設業労働災害防止協会に委託して行うものであるが、各局においても、同協会の都道府県支
部に対し、必要な指導、援助に努め、その効果的な推進に遺憾なきを期されたい。

別添

木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業実施要綱

1  趣旨
    建設業における労働災害のうち木造家屋等低層住宅建築工事における災害の占める割合が増加傾向に
  あり、特に死亡災害についてはこの傾向が顕著である。同工事における死亡災害の8割が墜落によるも
  のであることから、これを減少させるためには、墜落災害防止対策の徹底が緊急の課題である。
    このため、足場先行工法の普及及び定着を図るとともに事業者の安全意識の高揚を図ることを内容と
  する木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業を実施し、木造家屋等低層住宅建築工事にお
  ける墜落災害の防止の徹底を図ることとする。
2  事業の概要
    木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業は、モデル現場の設置による足場先行工法に係
  るマニュアルの策定等を行う「マニュアル策定事業」及び足場設置に係る支援を行いマニュアルに基づ
  く作業手順書の作成指導等により普及定着を図る「普及・定着事業」から成る。
3  事業の実施
    木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業は、労働省から委託を受けた建設業労働災害防
  止協会(以下「建災防」という。)が実施する。
4  木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業の対象
    木造家屋等低層住宅建築工事安全対策推進モデル事業の対象は、木造家屋等低層住宅(建築基準法施
  行例(昭和25年政令第338号)第2条第1項第7号に規定する軒の高さが10メートル未満の木造及び
  軽量鉄骨造等の住宅に供する建築物をいう。)の建築工事を行う事業者等とする。
5  マニュアル策定事業
  (1)  事業の実施期間
        事業の実施期間は、平成8年度から3年間とする。
  (2)  事業の内容
      イ  建災防本部の実施事項
        (イ)  事業運営会議の開催等
              事業の円滑な実施を図るため、支部事務局長等による事業運営会議を開催するとともに、
            支部への現地指導を行う。
        (ロ)  足場先行工法に係る情報等の提供
              足場先行工法に関する各種の資料、情報等を支部に送付する。
      ロ  建災防支部の実施事項
        (イ)  現場安全対策検討会の開催
              各地域ごとの住宅構造及び建築工法の特徴を踏まえ、最も適切な足場先行工法による建方
            作業等についての検討会を開催する。
        (ロ)  モデル現場の設置による教育指導会の開催等
              木造家屋等低層住宅建築工事に係る労働災害の発生状況等を勘案してあらかじめ指定する
            都道府県に、足場先行工法によるモデル現場を設置し、モデル現場における見学会等を開催
            する。
        (ハ)  安全対策体験交流会の開催
              あらかじめ指定する都道府県(原則として(ロ)において指定する都道府県を除く。)にお
            いて、安全対策等の実施体験者による発表等の安全対策体験交流会を開催する。
6  普及・定着事業
  (1)  実施体制の整備
      イ  普及・定着事業の円滑な実施を図るため、建災防は、建災防本部に中央技術指導員を配置する。
      ロ  建災防は、各支部に木建工事技術相談員を配置する。
  (2)  建災防本部の実施事項
        建災防本部においては、支部の実施する事項が円滑に推進されるよう、次の事項を実施する。
      イ  事業運営会議の開催等
          事業の全国斉一的な展開を図るため、支部事務局等による事業運営会議を開催するとともに、
        支部への現地指導を行う。
      ロ  中央研修会の開催
          木建工事技術相談員に対する中央研修会を開催する。
      ハ  教育研修会教材の作成
          検討委員会を設置して、視聴覚教材等を作成し支部に送付する。
  (3)  建災防支部の実施事項
      イ  教育研修会の開催
          木造家屋等低層住宅建築工事に従事する者に対する教育研修会を開催する。
      ロ  足場先行工法による木建工事の実施に対する支援等
          マニュアル策定事業における教育指導会又は安全対策体験交流会に参加した事業場等であって、
        足場先行工法を採用して施工する小零細規模の工務店等に対して、足場先行工法による木造工事
        の実施や足場先行工法によるに作業手順書の作成に要する経費ついての支援、作業手順書の作成
        等に向けた技術的支援を行う。
      ハ  パトロールの実施
          足場先行工法の普及徹底のため、工務店及び施工現場等に対してパトロールを行う。
7  その他
    支部と各都道府県労働基準局との連携を図るため、支部は、マニュアル策定事業及び普及・定着事業
  の実施計画、実施状況等について、適宜、各都道府県労働基準局に資料を送付する。

(図)