レーヨン製造工程における労働衛生管理の徹底について |
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基安発第8号の2
平成5年3月19日
レーヨン製造工程における二硫化炭素中毒の予防については、有機溶剤中毒予防規則によるほか、昭和
61年1月6日付け基安発第1号「二硫化炭素中毒の予防対策の徹底について」等により対策の徹底を図っ
てきたところである。
しかしながら、最近、一部の事業場において新たに労働者に二硫化炭素による慢性中毒が発生する事例
があったことから、さらに重点的な予防対策を講ずることとし、本省においては、日本化学繊維協会会長
あて別添のとおり要請したところである。
ついては、貴局においても、本要請の趣旨を踏まえ関係事業場に対し適切な指導を行われたい。
基安発第8号
平成5年3月19日
日本化学繊維協会会長 殿
労働省労働基準局
安全衛生部長
レーヨン製造工程における労働衛生管理の徹底について
レーヨン製造工程における二硫化炭素中毒の予防については、有機溶剤中毒予防規則によるほか、昭和
61年1月6日付け基安発第1号「二硫化炭素中毒の予防対策の徹底について」等により対策の徹底を図っ
てきたところであり、貴協会におかれても、産業衛生委員会において「二硫化炭素管理指針」を策定され、
これに基づき自主的労働衛生管理に取り組んでいただいているところです。
しかしながら、最近、一部事業場において新たに労働者に二硫化炭素中毒が発生する事例があったこと
は誠に遺憾なことであり、さらに重点的な予防対策を講ずる必要があると考えております。
つきましては、貴協会におかれても、従来の対策を徹底されるとともに、さらに下記の事項についての
対応を検討され、その結果を会員事業場に周知徹底していただくようお願いします。
また、その検討結果につきましては、本職あて報告していただくよう併せてお願いします。
記
1 作業環境管理に関する事項
労働者が二硫化炭素に暴露されるおそれのある作業を伴う設備については、当該設備及び作業方法の
見直しを行うこと。特に、紡糸作業で紡糸機のカバーを開け、これに身体を入れて作業を行う必要のあ
る設備については、暴露の一層の低減を図る装置の導入等を含め検討すること。
2 作業管理に関する事項
二硫化炭素に暴露されるおそれのある作業に従事する労働者には、労働安全衛生法に基づく型式検定
に合格した有機ガス用防毒マスクを使用させること。また、防毒マスク及び吸収缶の保守管理を適切に
行うこと。
3 健康管理に関する事項
二硫化炭素に暴露されるおそれのある作業に従事する労働者に対して特殊健康診断を実施し、その結
果に基づく適切な事後措置を講ずるとともに、産業医による継続的な健康管理を行うこと。
4 労働衛生教育に関する事項
二硫化炭素に暴露するおそれのある作業に従事する労働者に対して次の労働衛生教育を実施すること。
(1) 雇入れ時、作業内容変更時の教育(労働安全衛生法第59条)
(2) 特別教育に準じた教育(昭和59年6月29日付け基発第337号通達)
(3) 危険有害業務従事者に対する安全衛生教育(労働安全衛生法第60条の2)
(4) 職長教育(労働安全衛生法第60条)
(5) 作業主任者、衛生管理者等に対する能力向上教育(労働安全衛生法第19条の2)
5 その他
総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医等による自主的な労働衛生管理活動を積極的に展開すると
ともに、衛生委員会等において作業環境の維持管理及び改善、健康診断結果等について十分な調査審議
を行うこと。