第一種圧力容器に係る製造許可、構造検査等における留意事項について |
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第一種圧力容器に係る製造許可、構造検査等に当たっては、圧力容器構造規格(以下「構造規格」とい
う。)の規定ほか、下記の事項に留意されたい。
記
1 鏡板等の厳しい加工を施す部分に使用するクラッド鋼について、構造規格第6条の規定に基づき許容
引張応力を算定する場合の留意事項
クラッド鋼の厳しい加工を施した後も母材と合せ材とが十分に接合されていることが必要である。こ
のため、当該部分に使用するクラッド鋼については、次のすべての要件を満たすものが適切であること。
[1] 当該部分に使用する材料は、日本工業規格(以下「JIS」という。)G3601(ステンレスクラッ
ド鋼)、JISG3602(ニッケル及びニッケル合金クラッド鋼)、JISG3603(チタンクラッド
鋼)又はJISG3604(銅及び銅合金クラッド鋼)に適合するもの(肉盛クラッド鋼は除く。)の
うち、接合状態の等級がFであるものであること。
[2] 厳しい加工を施した後、超音波探傷試験を実施し、母材と合せ材との接合状態がJISG3601(ス
テンレスクラッド鋼)、JISG3602(ニッケル及びニッケル合金クラッド鋼)、JISG3603
(チタンクラッド鋼)又はJISG3604(銅及び銅合金クラッド鋼)に規定する接合状態の等級S
に相当することを確認されたものであること。
2 構造規格第34条第5項の規定によるジャケット閉鎖部の形状及び最小厚さの算式に関する留意事項本
条第5項の規定により、ジャケット閉鎖部の形状は構造規格別図第3によることとされているが、次の
図1に示すジャケットの種類に応じてジャケット閉鎖部に作用する応力が異なるため、閉鎖部(構造規
格別図第3の(イ)の1から3まで並びに(ロ)の1及び2の形状を有するものは除く。)の最小厚さの算
式は、次の図1のタイプIのとき同項第1号に規定する算式を、タイプIIのとき同項第2号に規定する
算式を用いること。また、構造規格別図第3に示されるジャケット閉鎖部に使用できるジャケットの種
類は、本条第5項の規定のほか、次に表によること。
(表)
3 構造規格第82条の規定に基づく強め輪の取付けに関する留意事項
本条の規定のほか、強め輪を確実に取付けるため、強め輪を取付ける場合の溶接の脚長は、胴と強め
輪のいずれか薄い方の板厚以上(最小6mm)とすることが適切であること。ただし、20mmを超える必要
はない。
4 構造規格第108条第1項の第1号から第3号までのいずれかに規定された溶接継手を有する第一種圧
力容器に関する放射線検査に関する留意事項
本条第1項の第1号から第3号までのいずれかに規定された溶接継手のほか、次の各号に掲げる突合
せ溶接継手についても、その全長について放射線検査を行い、構造規格第110条各号に掲げる要件を具
備するものであることが適切であること。
[1] 管、管台等の長手継手
[2] 管、管台等の周継手であって、管の内径が250mm(10Bの管を含む。)を超えるもの又はその肉厚
が28mmを超えるもの
5 構造規格第4条第1項第2号の規定に基づく許容引張応力を用いた材料にる第二種圧力容器に関する
留意事項
第二種圧力容器を製作する場合で、材料の許容引張応力として第4条第1項第2号に基づく値(平成
元年12月31日付け基発第643号の別表2のJISG3115、JISG3120、JISG3126及びJISG3127
の欄中、注(6)を引用している許容引張応力の値)をとるときは、構造規格第135条の規定にかかわら
ず、溶接施工法試験により溶接施工方法の適性を確認し、かつ、構造規格第108条、第112条及び第113条
の規定を準用することが適切であること。