試験施設等に関する安衛法GLP適合確認要領の制定について |
改正履歴
昭和63年9月16日付け基発第602号の記のTの第2の7の(3)及び(4)において別途定めることとしていた
「試験施設等に関する安衛法GLP適合確認要領」を別添のとおり定め、これにより、来る4月1日から
試験施設等に対するGLP適合確認を行うこととしたので了知されたい。
試験施設等に関する安衛法GLP適合確認要領
第1 目的
本要領は、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第34条の3及
び第34条の4の規定を実施するため、試験施設等の安衛法GLP(労働安全衛生規則第三十四条の三
第二項の規定に基づく試験施設等が具備すべき基準(昭和63年労働省告示第76号)をいう。以下同じ。
)への適合確認(適合調査(第3の2の(1)に規定する審査及び査察により、試験施設等の安衛法GL
Pへの適合性について調査を行うことをいう。以下同じ。)により労働安全衛生法(昭和47年法律第
57号)第57条の4第1項の有害性の調査(以下単に「有害性の調査」という。)のための試験を行う試
験施設等が安衛法GLPに適合しているとして、第3の3の(1)において「可」と判定されることをい
う。以下同じ。)に係る事項について定めることを目的とする。
第2 対象試験
本要領による適合確認の対象試験は、安衛法GLP第1条第1項の変異原性試験及びがん原性試験
とする。
第3 適合調査の手続
1 申請手続
(1) 適合調査を受けようとする者は、変異原性試験又はがん原性試験の区分及び試験施設等ごと
に様式1の申請書(以下単に「申請書」という。)に、(2)の書面を添えて厚生労働省労働基準局
長に申請を行うものとする。この場合において、特定の期日までに適合確認を受けようとする者
は、当該期日の6月前までに申請を行うものとすること。
(2) 申請書に添付する書面は、次の事項を記載した書面(以下「添付書面」という。)とする。
ア 試験施設等の設立年月日、設立主体、敷地の面積並びに有害性の調査のための試験に使用す
る設備等の存する建物の階数及び総床面積並びに法人にあっては、定款又は寄附行為
イ 試験施設等の平面図並びにその主な施設及び設備の配置図
ウ 申請に係る試験に使用する主要な設備の名称、台数、型式番号等
エ 試験施設等の組織(人員構成を含む。)並びに運営管理者その他主要職員の氏名、業務分担、
履歴、研究経歴及び所属する学会又は学術団体名
オ 内部監査に係る規程及び最近3年間における内部監査の実施状況
カ 過去3年間における職員の教育及び訓練の実施状況
キ 過去10年間の申請に係る試験の実施状況
ク 申請に係る試験に使用する標準操作手順書の写し、標準操作手順書の作成、改訂、廃棄等の
手順及び標準操作手順書の表題の一覧表
ケ 被験物質及び陽性対象物質並びに廃棄物(排水を含む。)の流れ図等
(3) 申請書及び添付書面は、それぞれ正副各1部提出すること。
2 適合調査
(1) 適合調査は、申請書及び添付書面((2)において、資料の提出を求めたときは、当該資料を含
む。)の審査並びに当該申請に係る試験施設等に対する査察により行うものとする。
(2) 査察の実施に当たり、適合調査のため必要な資料がある場合は、当該資料について提出を求
めるものとする。
(3) 査察の実施については、別紙「安衛法GLP査察実施要領」(以下「査察要領」という。)
に定めるところにより行うものとする。
(4) 弁明書の提出等及び意見聴取
ア 弁明書の提出等
厚生労働省労働基準局長は、適合調査の結果、安衛法GLPを逸脱する事項又はそのおそれ
がある事項(当該試験施設等で実施される有害性の調査の信頼性が損なわれていると認められ
ない軽微な事項を除く。)が認められた場合は、3の(1)の評価を行う前に、試験施設等に対
し、当該事項を通知の上、当該事項について申請者がこれに対応するために十分な期間を確保
できるよう配慮した上で、30日を超えない範囲内で期間を定めて、当該事項について、弁明書
若しくは物件の提出を求め、又は改善の措置(速やかな改善が困難な場合は改善計画の提出。
以下同じ。)及びその結果の報告を求めるものとする。
イ 学識経験者からの意見聴取
厚生労働省労働基準局長は、3の(1)の評価を行う前に、必要と認められるときは、査察専門
家その他の学識経験者の意見を聴取するものとする。
3 判定
(1) 厚生労働省労働基準局長は、適合調査の結果(2の(4)のアにより弁明書若しくは物件の提出
を求め、若しくは改善の措置及び結果の報告を求め、又は2の(4)のイにより意見聴取を行った
場合は、これらの結果を含む。)を踏まえ、当該試験施設等の安衛法GLPへの適合状況を総合
的に評価し、次の区分のいずれに該当するかを判定するものとする。ただし、当該試験施設等に
おいて改善計画に基づく改善の措置が完了していない等により判定を行うことが適当でない場合
には、判定を保留し、その旨を申請者に通知した上で、2の(4)に準じて必要な対応を行うものと
する。
ア 可(安衛法GLPに適合していることをいう。)
イ 否(試験施設等の全部又は一部について安衛法GLPに不適合であり、当該試験施設等で実
施される有害性の調査の信頼性が損なわれていると認められることをいう。)
(2) 厚生労働省労働基準局長は、次に掲げる場合には、(1)において、「否」と判定するものとす
る。
ア 査察を拒否し、若しくは妨げ、又は査察に際し、質問に対して、答弁をせず、若しくは虚偽
の答弁を行ったとき。
イ 2の(4)のアにより、弁明書若しくは物件の提出を求め、又は改善の措置及びその結果の報告
を求めたにもかかわらず、これらを拒否し、期限内に提出せず、若しくは報告せず、又は虚偽
の弁明書を提出し、若しくは虚偽の報告を行ったとき。
ウ (1)のただし書により判定を保留した場合において、おおむね6月程度保留の状態が続いたと
き。ただし、申請者の責に帰することのできないやむを得ない事由があるときは、この限りで
ない。
4 通知
厚生労働省労働基準局長は、原則として、申請のあった日から起算して6月以内に3の判定の結果
について様式2により、申請者あて通知するものとする。試験施設等が安衛法GLPを具備してい
るとして適合確認を受けた場合において、当該試験施設等の適合確認日(適合確認を受けた日をい
う。)は、査察を行った日(当該査察を2日以上にわたって行った場合にあっては、その最後の日)
とする。
第4 適合確認の効力
1 適合確認の効力は、適合確認日から生じ、当該適合確認日から起算して3年を経過したときは、そ
の効力を失う。 ただし、天災その他の不可抗力により、当該適合確認日から起算して3年を経過す
る日(以下「当初失効日」という。)の前日までに適合調査を実施できない場合であって、当初失
効日から起算して6月前までに第3の1の申請手続を行い、当該申請に係る調査結果が適合と評価され
たときは、当該当初失効日以後も、なおその効力を有する。
2 適合確認日から起算して3年を経過するまでの間に、新たに適合確認の判定を受けたときは、当該
適合確認の前に受けた適合確認は、新たな適合確認に係る適合確認日の前日を限り、その効力を失
う。
第5 変更の届出
その試験施設等が適合確認を受けた者(以下「適合機関」という。)は、次の事項に変更があった
場合には、遅滞なく、様式3によりその旨を厚生労働省労働基準局長に届け出るものとする。
1 適合機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
2 適合確認を受けた試験施設等の名称及び住所
3 適合確認を受けた試験施設等の組織、施設及び設備、管理、運営等に関する事項のうち、その変
更により、当該適合確認に係る試験の信頼性に関し影響を及ぼすおそれのあるもの
第6 廃止の届出
適合機関は、適合確認に係る試験に係る業務の一部又は全部を廃止しようとするときは、あらかじ
め、様式4により、その旨を厚生労働省労働基準局長に届け出なければならない。
第7 適合確認判定の取消し
厚生労働省労働基準局長は、適合機関が次のいずれかに該当するときは、適合確認を取り消すもの
とする。ただし、取消しに当たっては、第3の2の(4)のアに準じ、あらかじめ弁明書の提出を求める
ものとする。
1 適合機関の試験施設等が安衛法GLPを逸脱し、かつ、当該試験施設等で行われる有害性の調査
の信頼性が損なわれていると認められるとき。
2 第8により、報告を要請したにもかかわらず、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は立入り
の同意を求めたにもかかわらずこれを拒否し、若しくは同意したにもかかわらず査察を妨げたとき。
3 その試験施設等が不正の手段により適合確認を受けたとき。
第8 報告及び立入り
厚生労働省労働基準局長は、有害性の調査の適切な実施のため必要があると認められるときは、適
合機関に対し、必要な事項の報告を要請し、又はその職員に適合機関の同意の下その試験施設等に立
ち入らせ、必要な調査を行うものとする。この場合において、当該立入りは、査察要領に準じて行う
ものとする。
第9 通報等
第7により適合確認を取り消したとき又は適合確認を受けた試験施設等が安衛法GLPを逸脱し、
かつ、当該試験施設等で行われる有害性の調査の信頼性が損なわれていることが明らかになったとき
は、OECD事務局に対する通報その他必要な対応を行うものとする。
第10 その他
本要領に基づく適合確認に係る事務は、厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課において
行う。
様式1
様式2
様式3
様式4
別紙