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林業チェーンソー取扱労働者健診促進システムの創設について

改正履歴


  林業におけるチェーンソー取扱業務に係る特殊健康診断の実施については、昭和48年11月30日付け基発
第669号「林業における振動障害予防対策並びに健康診断の実施の促進について」に基づき、昭和48年度
以降健康診断の実施体制の整備を図るとともに、当該特殊健康診断の実施について、林業・木材製造業労
働災害防止協会(以下「林災防」という。)に委託し、巡回方式によりその推進を図ってきたところであ
る。
  しかしながら、林業におけるチェーンソー取扱労働者に係る特殊健康診断の実施は、林業労働の特殊性
等から種々の困難が伴い、その実施率も低いという状況にある。
  このため、下記のとおり、新たに「林業チェーンソー取扱労働者健診促進システム」を創設し、林災防
に委託し、チェーンソー取扱労働者に係る特殊健康診断の実施を促進することとした。
  ついては、本システムの趣旨を理解し、本事業の円滑な推進に協力されたい。

記
1  趣旨、目的
    林業における振動障害は、昭和53年度をピークに年々減少しているものの、今なお年間200件を超え
  る状況にあり、予防対策のより一層の充実が求められている。
    振動障害の予防対策としては、振動のばく露をできるだけ少なくするための作業管理を適切に行うと
  ともに、健康診断の実施等健康管理の適切な実施が重要である。
    しかし、林業においては、事業場規模が零細なものが多いこと、労働者が事業者間を異動する傾向が
  強いこと、労働者の雇用は、季節的及び臨時的な形態が多いこと等から、事業者による労働者の健康管
  理を継続的に行うことが困難な状況もあり、チェーンソー取扱労働者の中には、今なお多くの振動特殊
  健康診断未受診者が存在している。
    かかる状況から、振動障害の予防対策をより一層推進させるため、林業におけるチェーンソー取扱労
  働者の振動特殊健康診断の実施を促進させるシステム(林業チェーンソー取扱労働者健診促進システム)
  を創設し、適切な健康管理を実施する体制を確立することとしたものである。
2  事業の概要
    本システムは、別紙の林業チェーンソー取扱労働者健診促進システム概要図にあるとおり、林業事業
  者及びチェーンソー取扱労働者を把握し、これらの事業者又は労働者の振動特殊健康診断の実施の有無
  を確認し、事業者及び労働者に対し振動特殊健康診断の実施又は受診を勧奨するというものである。
    具体的な実施項目は次のとおりである。
  (1)  チェーンソー取扱労働者登録台帳の作成、整備
  (2)  チェーンソー取扱労働者の振動特殊健康診断の実施状況の把握
  (3)  事業者に対する振動特殊健康診断実施の勧奨
  (4)  チェーンソー取扱労働者に対する振動特殊健康診断受診の勧奨
3  実施主体
    本事業は、林災防に委託して実施する。
4  その他
    本事業の円滑な推進を図るため、局署においては、林災防県支部から協力依頼があった場合には、必
  要な情報の提供等について配慮されたい。
    また、関係事業場に対しても、機会をとらえて本事業の周知及び協力方についての指導を行われたい。
    なお、本事業の実施に伴い取得された情報が本事業の目的以外の目的で利用されることのないよう配
  慮することとし、林災防県支部に対してもその旨指導されたい。

(別紙)