労働基準法 第四章
労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
(第三十二条−第四十一条の二) |
労働基準法 目次
(労働時間)
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させては
ならない。
2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働
させてはならない。
(一ヵ月単位の変形労働時間制)
第三十二条の二 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において
はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する
者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間
を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをした場合においては、同条
の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日におい
て同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
2 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
(フレックスタイム制)
第三十二条の三 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終
業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組
織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合に
おいては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、そ
の協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項
の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は
一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一 この項の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二 清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範
囲内において労働させる期間をいい、三箇月以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条にお
いて同じ。)
三 清算期間における総労働時間
四 その他厚生労働省令で定める事項
2 清算期間が一箇月を超えるものである場合における前項の規定の適用については、同項各号列記以外
の部分中「労働時間を超えない」とあるのは「労働時間を超えず、かつ、当該清算期間をその開始の日
以後一箇月ごとに区分した各期間(最後に一箇月未満の期間を生じたときは、当該期間。以下この項に
おいて同じ。)ごとに当該各期間を平均し一週間当たりの労働時間が五十時間を超えない」と、「同項」
とあるのは「同条第一項」とする。
3 一週間の所定労働日数が五日の労働者について第一項の規定により労働させる場合における同項の規
定の適用については、同項各号列記以外の部分(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)
中「第三十二条第一項の労働時間」とあるのは「第三十二条第一項の労働時間(当該事業場の労働者の
過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合が
ない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、労働時間の限度について、
当該清算期間における所定労働日数を同条第二項の労働時間に乗じて得た時間とする旨を定めたときは、
当該清算期間における日数を七で除して得た数をもつてその時間を除して得た時間)」と、「同項」と
あるのは「同条第一項」とする。
4 前条第二項の規定は、第一項各号に掲げる事項を定めた協定について準用する。ただし、清算期間が
一箇月以内のものであるときは、この限りでない。
第三十二条の三の二 使用者が、清算期間が一箇月を超えるものであるときの当該清算期間中の前条第
一項の規定により労働させた期間が当該清算期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均
し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(第三十三条又は第三十
六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、第三十七条
の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
(一年単位の変形労働時間制)
第三十二条の四 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において
はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する
者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その
協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない
範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定める
ところにより、特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労
働時間を超えて、労働させることができる。
一 この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二 対象期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において労働さ
せる期間をいい、一箇月を超え一年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三 特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第三項において同じ。)
四 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分
することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以
下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当
該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
五 その他厚生労働省令で定める事項
2 使用者は、前項の協定で同項第四号の区分をし当該区分による各期間のうち最初の期間を除く各期間
における労働日数及び総労働時間を定めたときは、当該各期間の初日の少なくとも三十日前に、当該事
業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組
織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働省令で定め
るところにより、当該労働日数を超えない範囲内において当該各期間における労働日及び当該総労働時
間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない。
3 厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働省令で、対象期間における労働日数の限
度並びに一日及び一週間の労働時間の限度並びに対象期間(第一項の協定で特定期間として定められた
期間を除く。)及び同項の協定で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度を
定めることができる。
4 第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
(賃金の清算)
第三十二条の四の二 使用者が、対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間り短
い労働者について、当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におい
ては、その超えた時間(第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた
時間を除く。)の労働については、第三十七条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
(一週間単位の非定型的変形労働時間制)
第三十二条の五 使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測
した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認めら
れる厚生労働省令で定める事業であつて、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のも
のに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合におい
てはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表す
る者との書面による協定があるときは、第三十二条第二項の規定にかかわらず、一日について十時間ま
で労働させることができる。
2 使用者は、前項の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところによ
り、当該労働させる一週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。
3 第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
第三十三条 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使
用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第三十二条から前条まで若しくは第四十条
の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行
政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
2 前項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労
働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずるこ
とができる。
3 公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第
一に掲げる事業を除く。)の事業に従事する国家公務員及び地方公務員については、第三十二条から前
条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。
(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超え
る場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織す
る労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合におい
ては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
(時間外及び休日の労働)
第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはそ
の労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者と
の書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、
第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」と
いう。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定
で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
2 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の
範囲
二 対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、
一年間に限るものとする。第四号及び第六項第三号において同じ。)
三 労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
四 対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させる
ことができる時間又は労働させることができる休日の日数
五 労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める
事項
3 前項第四号の労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働
の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間
に限る。
4 前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一
項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、
一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする。
5 第一項の協定においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することの
できない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合に
おいて、一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間
(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)並びに一年について労働時
間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め七百二十時間を超えない
範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第一項の協定に、併せて第二項第二号の
対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が一箇月について四十五時間(第三十二条の四第
一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、
一箇月について四十二時間)を超えることができる月数(一年について六箇月以内に限る。)を定めな
ければならない。
6 使用者は、第一項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労
働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしな
ければならない。
一 坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、一日について労働時間を延
長して労働させた時間 二時間を超えないこと。
二 一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 百時間未満であ
ること。
三 対象期間の初日から一箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の一箇月、二箇月、三箇月、
四箇月及び五箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日に
おいて労働させた時間の一箇月当たりの平均時間 八十時間を超えないこと。
7 厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、第一項の協定で定める労
働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他
の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定める
ことができる。
8 第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の
延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしな
ければならない。
9 行政官庁は、第七項の指針に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代
表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
10 前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならな
い。
11 第三項から第五項まで及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、
商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働
させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計
算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わ
なければならない。
ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超え
た時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わ
なければならない。
2 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の
過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一
項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の
労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定め
るところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働
者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚
生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しな
い。
4 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定
める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、
その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を
支払わなければならない。
5 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める
賃金は算入しない。
(時間計算)
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用について
は通算する。
2 坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め
労働時間とみなす。但し、この場合においては、第三十四条第二項及び第三項の休憩に関する規定は適
用しない。
(みなし労働時間)
労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労
働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するために
は通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、
厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合
があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表す
る者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常
必要とされる時間とする。
使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
(みなし労働時間)
第三十八条の二 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、
労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するため
には通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、
厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
2 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合
があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表す
る者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常
必要とされる時間とする。
3 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
(裁量労働の時間計算)
第三十八条の三 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労
働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による
協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、
当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。
一 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、
当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものと
して厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対
象業務」という。)
二 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
三 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者
が具体的な指示をしないこと。
四 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための
措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者
が講ずること。
六 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前条第三項の規定は、前項の協定について準用する。
(裁量労働制)
第三十八条の四 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、
事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者
を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五
分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令
で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属
する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令
で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。
一 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上
これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業
務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下こ
の条において「対象業務」という。)
二 対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であって、当該対象業務に就かせた
ときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲
三 対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間
四 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労
働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を
当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
六 使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせた
ときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならな
いこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこ
と。
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前項の委員会は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場
合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半
数を代表する者に厚生労働省令で定めるところにより任期を定めて指名されていること。
二 当該委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存
されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件
3 厚生労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、労働政策審議会
の意見を聴いて、第一項各号に掲げる事項その他同項の委員会が決議する事項について指針を定め、そ
れを公表するものとする。
4 第一項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、同項第四
号に規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
5 第一項の委員会においてその委員の五分の四以上の多数による議決により第三十二条の二第一項、第
三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項た
だし書、第三十六条第一項、第二項及び第五項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一
項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する事項について決議が行われた場合における
第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の
五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条
第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書の規定の適用については、第三十二条の二第一項
中「協定」とあるのは「協定若しくは第三十八条の四第一項に規定する委員会の決議(第百六条第一項
を除き、以下「決議」という。)」と、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、
第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第二項及び第五項から第七項まで、第
三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書中
「協定」とあるのは「協定又は決議」と、第三十二条の四第二項中「同意を得て」とあるのは「同意を
得て、又は決議に基づき」と、第三十六条第一項中「届け出た場合」とあるのは「届け出た場合又は決
議を行政官庁に届け出た場合」と、「その協定」とあるのは「その協定又は決議」と、同条第八項中
「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決
議をする委員」と、「当該協定」とあるのは「当該協定又は当該決議」と、同条第九項中「又は労働者
の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」
とする。
(年次有給休暇)
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した
労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
2 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて
継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、
次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日
を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごと
に区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間におい
て出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇
を与えることを要しない。(表)
3 次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇
の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常
の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の
週所定労働日数」という。)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数
との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
一 一週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働
省令で定める日数以下の労働者
二 週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数が、
前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間
の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
4 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の
過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に
掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単
位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、
これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることが
できる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項
5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、
請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれ
を与えることができる。
6 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による
協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、こ
れらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その
定めにより有給休暇を与えることができる。
7 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければ
ならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において
同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分
した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同
じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただ
し、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えるこ
ととしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与え
なければならない。
8 前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休
暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とす
る。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
9 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時
間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは
所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定める
ところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で
組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合
においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、
それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一
に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端
数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定
めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
10 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児
又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定
する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間は、第一項及
び第二項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
(労働時間及び休憩の特例)
第四十条 別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不
便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、
第三十二条から第三十二条の五までの労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、厚生労働
省令で別段の定めをすることができる。
2 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉
を害しないものでなければならない。
(労働時間等に関する規定の適用除外)
第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の
各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
第四十一条の二 第四十一条の二 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項
を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該
事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会
がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、
厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働
者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労
働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたと
きは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者について
は適用しない。ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合
は、この限りでない。
一 高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高
くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務
(以下この項において「対象業務」という。)
二 この項の規定により労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であつて、対象業務に就
かせようとするものの範囲
イ 使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定めら
れていること。
ロ 労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算し
た額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給
する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の
平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。
三 対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(こ
の項の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に
係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(第五号ロ及びニ並びに第
六号において「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る。)を
当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
四 対象業務に従事する対象労働者に対し、一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の
休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。
五 対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その
他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。
イ 労働者ごとに始業から二十四時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間以上の継続した休
息時間を確保し、かつ、第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月に
ついて厚生労働省令で定める回数以内とすること。
ロ 健康管理時間を一箇月又は三箇月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内
とすること。
ハ 一年に一回以上の継続した二週間(労働者が請求した場合においては、一年に二回以上の継続し
た一週間)(使用者が当該期間において、第三十九条の規定による有給休暇を与えたときは、当該
有給休暇を与えた日を除く。)について、休日を与えること。
ニ 健康管理時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に
該当する労働者に健康診断(厚生労働省令で定める項目を含むものに限る。)を実施すること。
六 対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確
保するための措置であつて、当該対象労働者に対する有給休暇(第三十九条の規定による有給休暇を
除く。)の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定める措置のうち当該決議で定めるものを
使用者が講ずること。
七 対象労働者のこの項の規定による同意の撤回に関する手続
八 対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使
用者が講ずること。
九 使用者は、この項の規定による同意をしなかつた対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いを
してはならないこと。
十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項第四号から第六号
までに規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
3 第三十八条の四第二項、第三項及び第五項の規定は、第一項の委員会について準用する。
4 第一項の決議をする委員は、当該決議の内容が前項において準用する第三十八条の四第三項の指針に
適合したものとなるようにしなければならない。
5 行政官庁は、第三項において準用する第三十八条の四第三項の指針に関し、第一項の決議をする委員
に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。