四アルキル鉛中毒予防規則
第二章 四アルキル鉛等業務に係る措置
(第二条−第二十一条の二) |
四アルキル鉛中毒予防規則
目次
(四アルキル鉛の製造に係る措置)
第二条 事業者は、令別表第五第一号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 装置等を密閉式の構造のものとすること。ただし、装置等の部分で密閉式の構造のものとすること
が当該部分に係る作業の性質上著しく困難であるものについて、当該作業を行う場所に囲い式フード
の局所排気装置を設け、かつ、当該作業中に当該局所排気装置を稼動させるときは、この限りでない。
二 作業場所をそれ以外の作業場所その他関係者が立ち入る場所から隔離すること。
三 作業場所の床を、不浸透性の材料で造り、かつ、四アルキル鉛による汚染を容易に除去できる構造
のものとすること。
四 作業場所以外の場所に、作業に従事する労働者のための休憩室並びに当該労働者の専用に供するた
めの洗面設備、洗浄用燈油槽及びシャワー(シャワーを設けない場合にあつては、浴槽)を設けるこ
と。
五 装置等を毎日一回以上点検し、四アルキル鉛又はその蒸気が漏れ、又は漏れるおそれがあることが
判明したときは、必要な処置を行うこと。
六 作業に従事する労働者に不浸透性の保護手袋及び保護長靴を使用させること。ただし、当該作業に
従事する労働者が四アルキル鉛によつて汚染されるおそれのないときは、この限りでない。
七 作業に従事する労働者に有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き
呼吸用保護具を携帯させること。
八 四アルキル鉛を入れるドラム缶等の容器を堅固で四アルキル鉛が漏れるおそれのないものとし、か
つ、当該容器に四アルキル鉛用の容器である旨の表示をすること。
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第六号の保護具を使用し、及び同項第
七号の保護具を携帯しなければならない。ただし、同項第六号ただし書の場合は、同号の保護具の使用
については、この限りでない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、次の事項を周知
させなければならない。ただし、当該請負人が四アルキル鉛によつて汚染されるおそれのないときは、
第一号の事項については、この限りでない。
一 第一項第六号の保護具を使用する必要があること
二 第一項第七号の保護具を携帯する必要があること
三 第一項第八号の措置を講ずる必要があること
第三条 削除
(四アルキル鉛の混入に係る措置)
第四条 事業者は、令別表第五第二号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 装置等を作業に従事する労働者が四アルキル鉛によつて汚染され、又はその蒸気を吸入するおそれ
のない構造のものとすること。
二 作業場所の建築物を換気が十分に行われるように少なくともその三側面を開放したものとすること。
三 ドラム缶中の四アルキル鉛を装置等に吸引する作業により当該ドラム缶を空にしようとするときは、
その内部に四アルキル鉛が残らないように吸引すること。
四 ドラム缶中の四アルキル鉛を装置等に吸引する作業を終了したときは、直ちに、当該ドラム缶を密
栓し、かつ、その外面の四アルキル鉛による汚染を除去すること。
五 作業に従事する労働者に不浸透性の保護前掛け、保護手袋及び保護長靴並びに有機ガス用防毒マス
ク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を使用させること。
六 第二条第一項第二号から第五号までに掲げる措置
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第五号の保護具を使用しなければなら
ない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、次の事項を周知
させなければならない。
一 第一項第三号及び第四号の措置を講ずる必要があること
二 第一項第五号の保護具を使用する必要があること
(装置等の修理等に係る措置)
第五条 事業者は、令別表第五第三号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 作業のはじめに四アルキル鉛等によつて汚染されている装置等の汚染を除去すること。ただし、作
業のはじめに当該装置等の汚染を除去する作業を行うことが当該作業の性質上著しく困難であるとき
は、この限りでない。
二 作業(前号の汚染を除去する作業を除く。)に従事する労働者に不浸透性の保護前掛け、保護手袋
及び保護長靴並びに有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用
保護具を使用させること。ただし、当該作業に従事する労働者が四アルキル鉛中毒にかかるおそれの
ないときは、この限りでない。
2 前項の業務(同項第一号の汚染を除去する作業に係るものを除く。)に従事する労働者は、当該業務
に従事する間、同項第二号の保護具を使用しなければならない。ただし、同号ただし書の場合は、この
限りでない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、次の事項を周知
させなければならない。ただし、同項第一号ただし書の場合は、第一号の事項について、当該請負人が
四アルキル鉛中毒にかかるおそれのないときは、第二号の事項については、この限りでない。
一 第一項第一号の措置を講ずる必要があること
二 第一項第一号の汚染を除去する作業に従事するときを除き、同項第二号の保護具を使用する必要が
あること
(タンク内業務に係る措置)
第六条 事業者は、令別表第五第四号に掲げる業務のうち四アルキル鉛用のタンクに係るものに労働者を
従事させるときは、次の措置を講じなければならない。この場合において、第一号から第五号までに掲
げる措置は、作業開始前に、当該各号列記の順に行うものとする。
一 四アルキル鉛をタンクから排出し、かつ、タンクに接続しているすべての配管についてそこから四
アルキル鉛がタンクの内部に流入しないようにすること。
二 ガソリン、燈油等を用いてタンクの内部を洗浄した後、当該ガソリン、燈油等をタンクから排出す
ること。
三 五パーセント過マンガン酸カリウム溶液等(以下「除毒剤」という。)を用いてタンクの内部を十
分に除毒した後、当該除毒剤をタンクから排出すること。
四 タンクのマンホール、ドレンノズルその他四アルキル鉛がタンクの内部に流入するおそれがない開
口部をすべて開放すること。
五 除毒剤を用い、かつ、水又は水蒸気を用いてタンクの内部を洗浄した後、当該除毒剤及び水又は水
蒸気を排出すること。
六 作業開始前に換気装置によりタンクの内部を十分に換気し、かつ、作業中も当該装置により換気を
続けること。
七 非常の場合に直ちにタンクの内部の労働者を退避させることができる設備又は器具等を整備してお
くこと。
八 タンクの内部を見やすい箇所に、作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちにその旨を四アル
キル鉛等作業主任者その他関係者に通報する者を一人以上置くこと。
九 作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴、帽子及び送風マスクを使用させ
ること。
十 第一号から第五号までの措置に係る作業及び第八号の措置に係る監視の作業(タンクの内部におい
て行う場合を除く。)に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋及び保護長靴並びに有機ガス
用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を使用させること。た
だし、当該作業に従事する労働者が四アルキル鉛によつて汚染され、又はその蒸気を吸入するおそれ
のないときは、この限りでない。
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第九号の保護具を使用しなければなら
ない。
3 第一項第一号から第五号までの措置に係る作業及び同項第八号の措置に係る監視の作業(タンクの内
部において行う場合を除く。)に従事する労働者は、当該作業に従事する間、同項第十号の保護具を使
用しなければならない。ただし、同号ただし書の場合は、この限りでない。
4 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせる場合(労働者が当該業務に従事するときを除
く。)は、同項第一号から第六号まで及び第八号に掲げる措置を講ずること等について配慮するととも
に、同項第一号から第五号までに掲げる措置は、当該各号列記の順に行われるよう配慮しなければなら
ない。
5 事業者は、前項の請負人に対し、次の事項を周知させなければならない。ただし、当該請負人が四ア
ルキル鉛によつて汚染され、又はその蒸気を吸入するおそれのないときは、第二号の事項については、
この限りでない。
一 第一項の業務に従事するときは、同項第九号の保護具を使用する必要があること
二 第一項第一号から第五号までに掲げる措置に係る作業に従事するときは、同項第十号の保護具を使
用する必要があること
(タンク内業務に係わる措置)
第七条 前条の規定(第一項第二号、第三号及び第六号の規定を除く。)は、令別表第五第四号に掲げる
業務(加鉛ガソリン用のタンクに係るものに限る。)に労働者を従事させる場合及び当該業務の一部を
請負人に請け負わせる場合に準用する。この場合において、前条第一項及び第三項から第五項まで中
「第一号から第五号まで」とあるのは「第一号、第四号及び第五号」と、同条第四項中「第一号から第
六号まで」とあるのは「第一号、第四号、第五号」と読み替えるものとする。
2 事業者は、前項の業務に労働者を従事させるときは、作業開始前に換気装置によりタンクの内部の空
気中におけるガソリンの濃度が〇・一ミリグラム毎リットル以下になるまで換気し、かつ、作業中も当
該装置により換気を続けなければならない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせる場合(労働者が当該業務に従事するときを除
く。)は、当該請負人が作業を開始する前に、前項の換気を行うこと等について配慮しなければならな
い。
(残さい物の取扱いに係る措置)
第八条 事業者は、令別表第五第五号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 残さい物(廃液を除く。)を運搬し、又は一時ためておくときは、蓋又は栓をした堅固な容器で、
当該残さい物が漏れ、又はこぼれるおそれがないものを用いること。
二 残さい物(廃液を除く。)を廃棄するときは、当該残さい物を焼却し、又は当該残さい物に除毒剤
を十分に注いだ後それが露出しないように処理すること。
三 廃液を一時ためておくときは廃液が漏れ、又はこぼれるおそれがない堅固な容器又はピットを用い、
廃液を廃棄するときは希釈その他の方法により十分除毒した後処理すること。
四 作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋及び保護長靴を使用させること。
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第四号の保護具を使用しなければなら
ない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、次の事項を周知
させなければならない。
一 第一項第一号から第三号までの措置を講ずる必要があること
二 第一項第四号の保護具を使用する必要があること
(ドラム缶等の取扱いに係る措置)
第九条 事業者は、令別表第五第六号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 作業のはじめに、ドラム缶等及びこれらを置いてある場所を点検し、四アルキル鉛が漏れ、又は漏
れるおそれのあるドラム缶等について補修その他の必要な処置を行い、かつ、四アルキル鉛により汚
染されているドラム缶等及び場所の汚染を除去すること。
二 前号の措置に係る作業(汚染を除去する作業を除く。)に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保
護手袋及び保護長靴を使用させ、並びに有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電
動ファン付き呼吸用保護具を携帯させること。
三 第一号の措置に係る作業以外の作業に従事する労働者に不浸透性の保護手袋を使用させること。
2前項第一号の措置に係る作業(汚染を除去する作業を除く。)に従事する労働者は、当該作業に従事す
る間、同項第二号の保護具(有機ガス用防毒マスク及び有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き
呼吸用保護具を除く。)を使用し、及び有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動
ファン付き呼吸用保護具を携帯しなければならない。
3 第一項第一号の措置に係る作業以外の作業に従事する労働者は、当該作業に従事する間、同項第三号
の保護具を使用しなければならない。
4 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、次の事項を周知
させなければならない。
一 第一項第一号の措置を講ずる必要があること
二 第一項第一号の措置に係る作業(汚染を除去する作業を除く。)に従事するときは、不浸透性の保
護衣、保護手袋及び保護長靴を使用し、並びに有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有
する電動ファン付き呼吸用保護具を携帯する必要があること
三 第一項第一号の措置に係る作業以外の作業に従事するときは、同項第三号の保護具を使用する必要
があること
(研究に係る措置)
第十条 事業者は、令別表第五第七号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなけれ
ばならない。
一 四アルキル鉛の蒸気の発生源ごとにその蒸気を十分に吸引できるドラフトを設けること。
二 作業に従事する労働者に不浸透性の保護前掛け及び保護手袋を使用させること。
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第二号の保護具を使用しなければなら
ない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、同項第二号の保
護具を使用する必要がある旨を周知させなければならない。
(汚染除去に係る措置)
第十一条 事業者は、地下室、船倉又はピットの内部その他の場所であつて自然換気の不十分なところに
おいて、令別表第五第八号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、次の措置を講じなければならな
い。
一 非常の場合に直ちに作業場所の労働者を退避させることができる設備又は器具等を整備しておくこ
と。
二 作業のはじめに換気装置により作業場所を十分に換気し、かつ、作業中も当該装置により換気を続
けること。
三 作業場所を見やすい箇所に、作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちにその旨を四アルキル
鉛等作業主任者その他関係者に通報する者を一人以上置くこと。
四 第二号の換気の作業(動力による換気の作業を除く。)に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保
護手袋、保護長靴及び帽子並びに送風マスク、有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有
する電動ファン付き呼吸用保護具を使用させること。
五 第二号の換気の作業以外の作業(第三号の措置に係る監視の作業を含む。)に従事する労働者に不
浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴及び帽子並びに送風マスク(加鉛ガソリンによる汚染を除去す
る作業にあつては、送風マスク、有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファ
ン付き呼吸用保護具)を使用させること。
2 事業者は、前項の場所において、同項の業務の一部を請負人に請け負わせる場合は、次の措置を講じ
なければならない。
一 労働者が作業に従事するときを除き、前項第二号及び第三号の措置を講ずること等について配慮す
ること。
二 当該請負人に対し、次に掲げる措置を講ずる必要がある旨を周知させること。
イ 前項第二号の換気の作業(動力による換気の作業を除く。)に従事する場合は、同項第四号の保
護具を使用すること。
ロ 前項第二号の換気の作業以外の作業に従事する場合は、同項第五号の保護具を使用すること。
3 事業者は、令別表第五第八号に掲げる業務に労働者を従事させるとき(第一項に規定する場合を除く。)
は、次の措置を講じなければならない。
一 作業場所に有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具
を備えること。
二 作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋及び保護長靴を使用させること。
4 事業者は、前項の業務の一部を請負人に請け負わせるとき(第二項に規定する場合を除く。)は、当
該請負人に対し、次の事項を周知させなければならない。
一 作業場所に前項第一号の保護具を備える必要があること
二 前項第二号の保護具を使用する必要があること
5 事業者は、四アルキル鉛等による汚染を除去する作業を終了しようとするときは、四アルキル鉛の濃
度の測定その他の方法により、当該汚染が除去されたことを確認しなければならない。
6 令別表第五第八号に掲げる業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、第一項の場合で、同項
第二号の換気の作業(動力による換気の作業を除く。)に従事するときは同項第四号の保護具を、同項
の場合で同項第二号の換気の作業以外の作業に従事するときは同項第五号の保護具を、第三項の場合は
同項第二号の保護具を、それぞれ使用しなければならない。
(加鉛ガソリンの使用に係る措置)
第十二条 事業者は、加鉛ガソリンを洗浄用その他内燃機関の燃料用以外の用途に使用する業務に労働者
を従事させるときは、次の措置を講じなければならない。
一 作業場所に囲い式フードの局所排気装置を設け、かつ、作業中当該装置を稼動させること。
二 作業に従事する労働者に不浸透性の保護手袋を使用させること。
2 前項の業務に従事する労働者は、当該業務に従事する間、同項第二号の保護具を使用しなければなら
ない。
3 事業者は、第一項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、次の措置を講じなければならない。
一 第一項第一号の規定により局所排気装置を設けた場合において、当該請負人が当該業務に従事する
間(労働者が当該業務に従事するときを除く。)、当該装置を稼働させること等について配慮するこ
と。
二 当該請負人に対し、第一項第二号の保護具を使用する必要がある旨を周知させること。
(加鉛ガソリンの使用制限)
第十三条 事業者は、労働者に加鉛ガソリンを用いて手足等を洗わせてはならない。
2 労働者は、加鉛ガソリンを用いて手足等を洗つてはならない。
3 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、加鉛ガソ
リンを用いて手足等を洗つてはならない旨を周知させなければならない。
(四アルキル鉛等作業主任者の選任)
第十四条 事業者は、令第六条第二十号の作業については、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任
者技能講習(特定化学物質障害予防規則(昭和四十七年労働省令第三十九号)第二十七条第二項に規定
する金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習を除く。第二十七条において同じ。)を修了した者のう
ちから、四アルキル鉛等作業主任者を選任しなければならない。
(四アルキル鉛等作業主任者の職務)
第十五条 事業者は、四アルキル鉛等作業主任者に次の事項を行なわせなければならない。
一 作業に従事する労働者が四アルキル鉛により汚染され、又はその蒸気を吸入しないように、作業の
方法を決定し、労働者を指揮すること。
二 その日の作業を開始する前に、第六条第一項第六号、第七条第二項又は第十一条第一項第二号の換
気装置を点検すること。
三 保護具の使用状況を監視すること。
四 第二十条第一項各号のいずれかに掲げる場合において労働者が四アルキル鉛中毒にかかるおそれの
あるとき、又は作業に従事する労働者が異常な症状を訴え、若しくは当該労働者について異常な症状
を発見した場合において当該労働者が四アルキル鉛中毒にかかつているおそれのあるときは、直ちに
労働者を当該作業場所から退避させること。
五 作業に従事する労働者の身体又は衣類が四アルキル鉛によつて汚染されていることを発見したとき
は、直ちに過マンガン酸カリウム溶液により、又は洗浄用燈油及び石けん等により汚染を除去させる
こと。
(汚染の除去に係る周知)
第十五条の二 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に
対し、身体又は衣類が四アルキル鉛によつて汚染されたときは、直ちに過マンガン酸カリウム溶液によ
り、又は洗浄用灯油及び石けん等により汚染を除去する必要がある旨を周知させなければならない。
(保護具等の管理)
第十六条 事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者を従事させるときは、その日の作業を開始する前に、
保護具について次の措置を講じなければならない。
一 保護具を点検し、異常のあるものを補修し、又は取り替えること。
二 使用時間の合計が破過時間の二分の一を超えた有機ガス用防毒マスク又は有機ガス用の防毒機能を
有する電動ファン付き呼吸用保護具の吸収缶を取り替えること。
2 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、その日の
作業を開始する前に保護具について前項各号の措置を講ずる必要がある旨を周知させなければならない。
3 事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者を従事させたときは、作業終了後、速やかに、当該労働者が
使用した保護具、作業衣、器具等を点検し、四アルキル鉛等により汚染されているものについては、焼
却その他の方法により廃棄し、又は当該汚染を除去すること。
4 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、作業終了
後、速やかに、使用した保護具、作業衣、器具等を点検し、四アルキル鉛等により汚染されているもの
については、焼却その他の方法により廃棄し、又は当該汚染を除去する必要がある旨を周知させなけれ
ばならない。
5 事業者は、令別表第五第一号、第二号又は第七号に掲げる業務に労働者を従事させるときは、当該労
働者ごとに二つの更衣用ロッカーを当該業務を行う作業場所から隔離された場所に設け、そのうち一つ
を金属製で保護具及び作業衣を格納するためのものとしなければならない。
6 事業者は、前項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、当該業務に従事す
る者(労働者を除く。)ごとに二つの更衣用ロッカーを当該業務を行う作業場所から隔離された場所に
設け、そのうち一つを金属製で保護具及び作業衣を格納するためのものとする必要がある旨を周知させ
なければならない。ただし、次項の規定に基づく措置として当該請負人に更衣用ロッカーを使用させる
場合は、この限りでない。
7 事業者は、前項の請負人に対し、第五項の規定により設けた更衣用ロッカーを使用させる等保護具及
び作業衣が適切に格納されるよう必要な配慮をしなければならない。
(薬品等の備付け)
第十七条 事業者は、四アルキル鉛等業務を行なう作業場所ごとに次の薬品等(令別表第五第四号に掲げ
る業務を行なう作業場所については、第四号の補修材を除く。)を備えなければならない。
一 洗身用過マンガン酸カリウム溶液並びに洗浄用燈油及び石けん等
二 洗眼液、吸着剤その他の救急薬
三 除毒剤及び活性白土その他の拡散防止材
四 鉄セメントその他の補修材
(洗身)
第十八条 事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者を従事させたときは、作業終了後、速やかに、当該労
働者に洗身(令別表第五第六号又は第七号に掲げる業務については、手洗。次項において同じ 。)を
させなければならない。
2 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、作業終了
後、速やかに洗身をする必要がある旨を周知させなければならない。
(立入禁止)
第十九条 事業者は、四アルキル鉛等業務を行う作業場所又は四アルキル鉛を入れたタンク、ドラム缶等
がある場所に関係者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその
他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、これらの場所が立入禁止で
ある旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
(事故の場合の退避等)
第二十条 事業者は、次の各号のいずれかに掲げる場合において四アルキル鉛中毒にかかるおそれのある
ときは、直ちに、作業を中止し、作業に従事する者を作業場所等から退避させなければならない。
一 装置等が故障等によりその機能を失つた場合
二 第六条第一項第六号、第七条第二項又は第十一条第一項第二号の換気装置が作業中故障等によりそ
の機能を失つた場合
三 四アルキル鉛が漏れ、又はこぼれた場合
四 前三号に掲げる場合のほか、作業場所等が四アルキル鉛又はその蒸気により著しく汚染される事態
が生じた場合
2 事業者は、前項各号のいずれかに掲げる場合には、作業場所等において四アルキル鉛中毒にかかるお
それのないことを確認するまでの間、当該作業場所等に関係者以外の作業に従事する者が立ち入ること
について、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外
の方法により禁止したときは、当該作業場所等が立入禁止である旨を見やすい箇所に表示しなければな
らない。
3 事業者は、四アルキル鉛等業務の一部を請負人に請け負わせる場合において、当該請負人が異常な症
状を訴え、又は当該請負人について異常な症状を発見したときであつて当該請負人が四アルキル鉛中毒
にかかつているおそれのあるときには、直ちに当該請負人を作業場所等から退避させなければならない。
(特別の教育)
第二十一条 事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、次の科目に
ついて、当該業務に関する衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
一 四アルキル鉛の毒性
二 作業の方法
三 保護具の使用方法
四 洗身等清潔の保持の方法
五 事故の場合の退避及び救急処置の方法
六 前各号に掲げるもののほか、四アルキル鉛中毒の予防に関し必要な事項
2 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号。以下「安衛則」という。)第三十七条及び第
三十八条並びに前項に定めるもののほか、同項の特別の教育の実施について必要な事項は、厚生労働大
臣が定める。
(掲示)
第二十一条の二 事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者を従事させるときは、次の事項を、見やすい箇
所に掲示しなければならない。
一 四アルキル鉛等業務を行う作業場である旨
二 四アルキル鉛等により生ずるおそれのある疾病の種類及びその症状
三 四アルキル鉛等の取扱い上の注意事項
四 令別表第五第一号及び第六号に掲げる業務を行う作業場においては有機ガス用防毒マスク又は有機
ガス用の防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具を携帯しなければならない旨
五 次に掲げる業務又は作業を行う作業場においては、有効な保護具等を使用しなければならない旨及
び使用すべき保護具等
イ 令別表第五第一号に掲げる業務
ロ 令別表第五二号に掲げる業務
ハ 令別表第五第三号に掲げる業務(第五条第一項第一号の汚染を除去する作業を除く。)(第五条
第一項第二号ただし書の場合を除く。)
ニ 令別表第五第四号に掲げる業務(四アルキル鉛用及び加鉛ガソリン用のタンクに係るものに限る。)
ホ 第六条第一項第一号から第五号までの措置に係る作業及び同項第八号の措置に係る監視の作業
(タンクの内部において行うものを除く。)(第七条第一項の規定により準用する場合を含み、第
六条第一項第十号ただし書(第七条第一項の規定により準用する場合を含む。)の場合を除く。)