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安全帯の規格 |
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改正履歴 |
労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十二条の規定に基づき、安全帯の規格(昭和五十年労働省告示第六十七号)の全部を次のように改正する。 (定義) 第一条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 ベルト 身体に着用する帯状の部品をいう。 二 ランヤード ベルトと親綱その他の取付設備等(安全帯を安全に取り付けるための設備等をいう。以下この条及び第七条第一項において同じ。)とを接続するためのロープ又はストラップ(以下「ランヤードのロープ等」という。)、フック等からなる器具をいう。 三 フック ランヤードのロープ等と取付設備等又は環とを接続するための鉤形の器具をいう。 四 カラビナ ランヤードのロープ等と取付設備等又は環とを接続するための環状の器具をいう。 五 環ベルトとランヤードとを接続するための器具及びランヤードを取付設備等に回し掛けする方法により安全帯を使用するときに、当該ランヤードのフック又はカラビナを当該ランヤードに接続するための器具をいう。 六 ショックアブソーバ 墜落を防止するときに生ずる衝撃を緩和するための器具をいう。 七 巻取り器 ランヤードのロープ等を巻き取るための器具をいう。 八 グリップ ランヤードのロープ等と親綱とを接続するための器具をいう。 九 伸縮調節器 ランヤードのロープ等の長さを調節するためにランヤードのロープ等に取り付けられる器具をいう。 (構造) 第二条 胴ベルト型安全帯は、次の各号に定める基準に適合するものでなければならない。 一 墜落を防止するときに、安全帯を着用した者(以下この条及び第五条において「着用者」という。)の胴部がベルトにより支持される構造であること。 二 ベルトは、着用者に適合させることができること。 三 ランヤードを接続したものであること。 四 一本つり状態でのみ使用する構造のものにあっては、U宇つり状態では使用することができない構造であること。 五 U字つり状態でのみ使用する構造のものにあっては、一本つり状態では使用することができない構造であること。 六 U字つり状態で使用することができるものにあっては、着用者の腹部の両側の位置でランヤードが接続されるように環が取り付けられた補助のベルト(第五条において「補助ベルト」という。)を有すること。 七 U字つり状態で使用することができるもののランヤードは、次の構造であること。 イ 伸縮調節器を有すること。 ロ ランヤードのロープ等は、伸縮調節器を通し、一端にはフック又はカラビナを有し、他端にはランヤードのロープ等が伸縮調節器から抜けないための措置が講じられていること。 八 U宇つり状態で使用することができるもののランヤードで両端にフック又はカラビナを有するものにおける伸縮調節器は、着用者の墜落を防止するための措置が講じられていること。 2 ハーネス型安全帯は、次の各号に定める基準に適合するものでなければならない。 一 墜落を防止するときに、着用者の身体が荷重を肩、腿等複数箇所において支持するベルト(以下「ハーネス」という。)により支持される構造であること。 二 ハーネスは、着用者に適合させることができること。 三 ランヤードを接続したものであること。 四 墜落を防止するときに荷重が掛かるバックルは、正しい方法でのみ結合できること。 五 墜落を防止するときに荷重が掛かる複数のバックルが複数の方法で結合できる場合は、いずれの結合方法においても必要な機能が阻害されない構造であること。 六 墜落を防止するときに着用者の身体を支持する箇所に肩及び腿を含むものにあっては、ランヤードを接続する環の位置は、着用者がつり下がったときに着用者の頭頂部と臀部とを結ぶ線とランヤードとのなす角度が頭頂部を上方として三〇度を超えない位置であること。 (部品の強度) 第三条 安全帯の部品ほ、次の表の上欄に掲げる区分に応じ。それぞれ同表の下欄に定める強度を有するものでなければならない。 (材料) 第四条 前条の表の上欄に掲げる安全帯の部品の材料は、当該部品が通常の使用状態において想定される機械的、熱的及び化学的作用を受けた場合において同表の下欄の強度を有するように選定されたものでなければならない。 (部品の形状等) 第五条 安全帯の部品は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める形状等のものでなければならない。 (部品の接続) 第六条 安全帯の部品の接続は、次の表の上欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める接続方法によらなければならない。 (耐衝撃性等) 第七条 安全帯(U宇つり状態でのみ使用する構造の安全帯を除く。次項及び第三項において同じ。)は、落下試験(安全帯を取付設備等に取り付けた状態と同様の状態にし、かつ、質量が八五キログラムのトルソー(胴ベルト型安全帯の落下試験にあっては、トルソー又は砂のう。以下この項において同じ。)に安全帯を装着して、当該トルソーを当該安全帯のランヤードの最大の長さに相当する距離から自由落下させる試験をいう。以下この条において同じ。)を行った場合にトルソーを保持するもので、かつ、グリップ、フック又はカラビナに掛かる衝撃荷重が八・〇キロニュートン以下のものでなければならない。 2 安全帯のグリップは、落下試験を行った場合に、その落下試験により滑った距離が三〇ミリメートル以下のものでなければならない。 3 ショックアブソーバを有する安全帯は、落下試験を行った場合に、その伸びが六五〇ミリメートル以下のものでなければならない。 4 ハーネス型安全帯は、落下試験を行った場合に、トルソーの中心線とランヤードとのなす角度がトルソーの頸部を上方として三〇度を超えないものでなければならない。 5 落下試験に用いるトルソーは、次の各号に定めるところに適合するものとする。 一 硬質プラスチック、金属又はこれらの組合せから成ること。 二 次の図に定める形状及び寸法であること。 (表示) 第八条 安全帯は、見やすい箇所に安全帯の種類、製造者名及び製造年月が表示されているものでなければならない。 2 ランヤードを取り外すことができる安全帯は、ベルトの見やすい箇所に接続されるランヤードの種類が表示されているものでなければならない。 3 グリップは、見やすい箇所に当該グリップを取り付けることができる親綱の直径及び種類並びに取り付ける場合の上下方向が表示されているものでなければならない。 (特殊な構造の安全帯) 第九条 特殊な構造の安全帯で厚生労働省労働基準局長が第二条から前条までの規定に適合するものと同等以上の性能又は効力を有すると認めたものについては、この告示の関係規定は、適用しない。 附則 1 この告示は、平成十四年四月一日から適用する。 2 平成十四年四月一日において、現に製造している安全帯又は現に存する安全帯の規格については、なお従前の例による。 3 前項の規定は、同項に規定する安全帯がこの告示による改正後の安全帯の規格に適合するに至った後における当該安全帯については、適用しない。 |