ゴンドラ構造規格
第二章 機械部分(第二十一条−第三十六条) |
ゴンドラ構造規格
目次
第一節 ブレーキ
(昇降装置等のブレーキ)
第二十一条 昇降装置、アームを起伏させるための装置(以下「起伏装置」という。)及びアームを伸縮
させるための装置(以下「伸縮装置」という。)(以下この章において「昇降装置等」と総称する。)
は、ブレーキを備えるものでなければならない。ただし、水圧シリンダー又は油圧シリンダーを用いる
昇降装置等については、この限りでない。
2 前項のブレーキは、次に定めるところによるものでなければならない。
一 制動トルクの値(昇降装置、起伏装置又は伸縮装置に二以上のブレーキが備えられている場合には、
これらのブレーキの制動トルクの値を合計した値)は、ゴンドラに積載荷重に相当する荷重の荷を載
せたときにおける当該ゴンドラの昇降装置、起伏装置又は伸縮装置のトルクの値のうち最大の値の
一・五倍以上であること。
二 動力が遮断された場合に自動的に作動するものであること。
3 前項第一号の昇降装置、起伏装置又は伸縮装置のトルクの値は、昇降装置、起伏装置又は伸縮装置の
抵抗がないものとして計算するものとする。ただし、当該昇降装置、起伏装置又は伸縮装置に七十五パ
ーセント以下の効率のウォーム・ウォーム歯車機構が用いられている場合には、当該歯車機構の抵抗に
より生ずるトルクの値の二分の一のトルクに相当する抵抗があるものとして計算することができる。
(走行ブレーキ)
第二十二条 走行することのできるゴンドラは、走行を制動するためのブレーキを備えているものでなけ
ればならない。
第二節 ドラム等
(ドラム等の直径)
第二十三条 昇降装置等のドラムのピッチ円の直径と当該ドラムに巻き込まれるワイヤロープの直径との
比の値及び昇降装置等のシーブのピッチ円の直径と当該シーブを通るワイヤロープの直径との比の値は、
二十以上でなければならない。
(ワイヤロープのドラムへの巻込み)
第二十四条 昇降装置等の溝付きドラムの溝にワイヤロープが巻き込まれる方向と当該溝に巻き込まれる
ときの当該ワイヤロープの方向との角度は、四度以内でなければならない。
2 昇降装置等の溝付きドラム以外のドラムに係るフリートアングルの値は、二度以内でなければならな
い。
(ワイヤロープとドラム等との緊結等)
第二十五条 ワイヤロープとドラム、アーム、作業床等との連結は、合金詰めソケット止め、クランプ止
め、コッタ止め等の方法により緊結することにより行わなければならない。ただし、巻胴式のゴンドラ
以外のゴンドラの昇降装置との連結にあっては、この限りでない。
2 巻胴式のゴンドラ以外のゴンドラにあっては、ワイヤロープの端末が昇降装置から離脱しない構造の
ものでなければならない。
(ドラムの強度等)
第二十六条 昇降装置等を構成するドラム、シャフト、ピンその他の部品は、十分な強度を有し、かつ、
昇降装置等の作動に支障となる摩耗、変形、割れ等がないものでなければならない。
第三節 安全装置等
(巻過防止装置等)
第二十七条 ワイヤロープを用いる昇降装置等は、巻過防止装置又は巻過ぎを防止するための警報装置を
備えるものでなければならない。
(巻過防止装置等)
第二十八条 前条の巻過防止装置は、次に定めるところによるものでなければならない。
一 巻過ぎを防止するため、自動的に動力を遮断し、及び作動を制動する機能を有するものであること。
二 容易に調整及び点検ができる構造のものであること。
2 前条の巻過防止装置のうち電気式のものにあっては、前項に定めるところによるほか、次に定めると
ころによるものでなければならない。
一 接点、端子、巻線その他電気を通ずる部分(以下この項において「通電部分」という。)の外被は、
鋼板その他堅ろうなものであり、かつ、水又は粉じんの侵入により機能に障害を生ずるおそれのない
構造のものであること。
二 接点が開放されることにより巻過ぎが防止される構造のものであること。
三 通電部分と通電部分の外被との間の絶縁効力が、耐電圧試験において、日本工業規格C八二〇一−
四−一(低圧開閉装置及び制御装置−第四部:接触器及びモータスタータ−第一節:電気機械式接触
器及びモータスタータ)に定める基準に適合するものであること。
四 通電部分の外被の見やすい箇所に、定格電圧及び定格電流を表示した銘板が取り付けられているこ
と。
(安全弁等)
第二十九条 水圧又は油圧を動力として用いる昇降装置等は、水圧又は油圧の過度の上昇を防止するため
の安全弁を備えるものでなければならない。
2 前項の昇降装置等は、水圧又は油圧の異常低下による作業床及びアームの急激な降下を防止するため
の逆止め弁を備えるものでなければならない。ただし、第二十一条第二項に適合するブレーキを備える
ものにあっては、この限りでない。
(速度制御装置)
第三十条 ゴンドラは、次の各号のいずれかに該当する作業床の下降を制御する装置を備えるものでなけ
ればならない。
一 作業床の下降する速度が、許容下降速度(ゴンドラ安全規則(昭和四十七年労働省令第三十五号)
第一条第四号に掲げる許容下降速度をいう。次号において同じ。)に相当する速度の一・三倍を超え
ないうちに当該速度を自動的に制御する装置
二 作業床の下降する速度が、許容下降速度に相当する速度の一・四倍に達した場合に当該作業床の下
降を自動的に制止する装置
(矯正機構)
第三十一条 ゴンドラは、作業床の傾きを容易に矯正することができる機構を備えるものでなければなら
ない。
(回転部分の防護)
第三十二条 歯車、軸、軸継手等の回転部分で労働者に危険を及ぼすおそれがある箇所には、覆い、囲い
等を備えなければならない。
第四節 電気機器等
(電磁接触器等)
第三十三条電磁接触器等の操作回路であって、接地した場合に電磁接触器等が閉路されるおそれがある
ものは、次に定めるところにより電路に接続されていなければならない。
一 コイルの一端を接地側の電線に接続すること。
二 コイルと接地側の電線との間に開閉器がないこと。
(制御装置)
第三十四条 ゴンドラの制御装置は、操作する者がその操作部分から手を放した場合に自動的に当該ゴン
ドラの作動を停止させる構造のものでなければならない。
(操作部分)
第三十五条 制御装置、ブレーキ、警報装置及び開閉器の操作部分は、操作する者が容易に操作すること
ができる位置に設けられていなければならない。
2 前項の操作部分には、操作する者の見やすい箇所に、当該操作部分により制御されるゴンドラの作動
の種別及び方向、電路の開閉の状態等が表示されていなければならない。
(操作部分)
第三十六条 制御装置の操作部分が二以上の箇所に設けられている場合には、これらの操作部分は、同時
操作が行われない構造のものでなければならない。